
本格的な転職
棚ボタ式に上から落ちてくるものでも、向こうから歩いてやってくるものでもない。
自分で探し、創り出すものだ。
理想的なのは仕事とこの天職を一致させられることだ。
たとえば、文章の読み書きが好きな人が小説家となり、グルメ転じて調理師となるなどは理想的だが、ビジネスマンの場合でもそれは望めないことではない。
こうした理想的な「一致」をみるためには、まず仕事自体が、自分の適性、才能、好みに合っていなければならない。
しかし、これがなかなか難しい。
大学を卒業したてのころは、自分がどんな仕事に向いているのか、何をやるべきかということがわからない。
最近の若者はことに、就職するときも「みんなが行くから」とか「規模が大きいから」と主体性もなく、会社本位で就職先を決めてしまう傾向がある。
年齢制限35歳という場合、企業は35歳でピシャリと切ってしまうかというと、実はそういう場合のほうが少ないものだ。
最初から適性、才能、好みに合致した職場、職種に配属されるなどは、実に幸運なケースで、多くは、会社の「鶴の一声」で職種を当てがわれてしまう。
自分の適性に合わない仕事でも、組織のなかではわがままがきかない。
仕方なくやらざるをえないのだが、性に合わない仕事にはどうしたって身が入らない。
いずれいやになって惰性的なサラリーマン生活を送るはめになる。
そこで、そんな人は、いまの仕事が実際に自分に向いているのか、自分の才能を生かせる仕事なのか、問い直してみるべきだ。
もし自分の適性、才能は別なところにあると気づいたら、自分に合った仕事を探してみたほうが利口だ。
いわば、天職を探すための転職だが、若いうちこそこれが許されるわけだ。
人もうらやむ従業員7万人規模の超一流企業に入社しながら、3年でここを辞め、中堅の広告代理店に面接にきた青年がいた。
「後悔しませんか」と聞くと「もう自分は3年間よく見きわめ、将来のことも考えてやってきた「後悔しない」という。
いろんな能力を持っていた彼は、大企業では限られたセクションの小さな仕事しかさせてもらえず、たとえ中堅企業でも自分の能力を100パーセント発簿できる場のほうを選んだわけだ。
このように、いやいや仕事をするより、自分の適性や才能に向いた、天職にできそうな仕事を求めて転職する例は、たとえ会社の規模が小さくなろうが、転職の成功例といえる。
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